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スタッフブログ

ワンちゃんの避妊手術 ~避妊でできる病気の予防~

こんにちは。

獣医師の貝沼です。

暖かい日が続くと思えば寒い日もやってくる、寒暖の差が激しい今日この頃ですが、ワンちゃんネコちゃんといかがお過ごしでしょうか?

 

今日はワンちゃんの避妊手術についてお話ししようと思います。

 

避妊手術は、「子宮」と「卵巣」を同時に摘出する手術です。

 

手術のメリットとしては、日常生活においては、生理が来なくなるため、ポタポタと血がたれるということが無くなります。わんちゃんを抱っこした時に服に血がついてしまった!というような心配も無くなります^^

 

それ以上に大きなメリットとしては、病気の予防につながるという点です。

 

中年齢以上(6歳以上)のわんちゃんにしばしば見られ、細菌の感染によって子宮の中に膿がたまってしまう「子宮蓄膿症」という病気があります。この病気は元気や食欲の低下、喉が渇きやすくなる(多飲多尿)、体温上昇、陰部からの排膿などの症状が見られます。

細菌の出す毒素によって全身の状態が著しく悪くなることもあるため、発見・治療が遅れると命の危険性もあるこわい病気です。

しかし、子宮を摘出することで、子宮蓄膿症になる可能性を完全になくしてあげることができます。

この病気にかかったワンちゃんはみなとても辛そうにしていますが、こういった辛い状況を未然に防いであげることができる「避妊手術」は、とても大きなメリットがあると感じています。

 

 

また、早期に避妊手術を行うことで、乳腺癌になる可能性をグッと下げてあげることもできます。

これまでの研究によると、

生まれてから1回目の発情までに避妊手術をすると発生率は0.05%

2回目の発情までに避妊手術をすると発生率は8% 

と、乳腺腫瘍になる確率はグッと低くなります。

ただし、3回目の発情以降になると、避妊手術を実施しない場合と発生率に大きな差はないと言われています。

 

そのため、避妊手術はできるだけ早い時期に実施してあげることが、病気の予防のためには重要になってきます。

具体的には生後6~8か月ごろの実施をお勧めしています。

 

 

我が家のワンちゃん達も、みんな避妊手術を実施しました。

生後すぐに実施できた、というわけではありませんが、一飼い主としては子宮蓄膿症の心配がなくなったということで、とても安心感があります^^

 

この時期は狂犬病ワクチンや混合ワクチン、フィラリア検査などで来院する機会も増えると思います。

その際に、避妊手術についてお気軽に担当獣医師までお尋ね下さい^^

その子に合ったプランをご提案させて頂きます!^^

 

大切な家族であるワンちゃんに辛い思いをさせないよう、

<病気になったら治す>ではなく、<病気にならないように予防する>ということがとても大切です!

フィラリア予防だけでなく、女の子のワンちゃんにはぜひ避妊手術もご検討下さい!

 

しっかり予防をして、この先のワンニャンライフも楽しんでいきましょう!

犬

獣医師 貝沼大樹